2010年4月19日月曜日

蒔絵に出会う。

久し振りにエステートセールでも覗いてみようと、肩からバッグを提げて足早に玄関へ。
「ラッキーな出会いがありますように」と、この日はなんとなくシャンパンゴールドのバレエシューズを履いて出掛けました。

緑に囲まれた閑静な住宅街に佇む邸宅のドアをくぐり、目に飛び込んで来たのがこちら。

なんとまあ、見事な蒔絵ですこと!!

その大きさ、縦40センチ、横50センチ余り。
艶やかで豪華絢爛な絵付けが施されています。

アメリカで生活しながらこのような日本の素晴らしい伝統工芸に出逢うと、哀愁を掻き立てられずにはいられません。
「日本のものづくり」の神髄を見せられた気がして、日本人として誇らしい気持ちにもなります。

これは私だけでなく、沢山の日本の方にも見て頂きたい!と思い、販売者の了承を得て撮影させて頂きました。

濃淡の付け方が美しい菊。

根っこまで描写された、躍動感溢れる菖蒲。

こちらは少し小ぶりで、山水が描かれたもの。

調子に乗って、以前お世話になった京都の漆器修繕の職人さんにもメールで写真を送ってみたのですが、

’前回のお椀といい、個人宅のセールでこんな漆器が出てくるんですね。
絵柄の付け方から推測すると、輸出用のものではないかと。日本仕様ならもう少し余白を取るかと思います。
全体に艶が落ちてるように見えますが、蒔絵の仕事は良い仕事がしてあるように見えます。特に菊・梅図の膳。菊等の花弁は研ぎ出し蒔絵に見えます’


と、ご親切にも技法まで解説して頂け、益々嬉しくなりました。

どちらもこのような足が付いているのですが、一体どのような用途で使われた物なのかは定かでありません。
添えられたタグには、'Japanese Kimono Tray'と書かれていたのですが、これは着物を入れる衣装盆なのでしょうか。
でも、足付きの衣装盆なんて見た事ないし、アメリカ人の目から見て「着物の柄のようなお盆」という意味で名付けられた名称なのかしら?
それとも足付膳?
でも、お膳にしては大き過ぎる気も。。。
タグには、'Edo Period'と記載されていたのですが、漆器に関しては裏印がないので、素人目にはよくわかりません。
ご存知の方がおられましたら、教えて下さい。

私がアンティークディーラーなら購入していたかもしれませんが、日常使い出来るものでもなく、飾る場所も保管場所もないので、別れを惜しみつつ、ここでさようなら。
どんな方の手に渡るのか知れませんが、これからもこの地で日本の素晴らしい職人芸が沢山の人々の目に留まりますように。

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