2009年8月6日木曜日

「猫ばあば」現る ~2日目~


お向かいさんがゴミ出しをしているところに出くわしたので、挨拶ついでに猫ばあばのことを訊いてみることに。

「あそこの空き地で餌付けをしている人がいますよね。。。」

「そうなのよ~。猫が車のボンネットに乗っていたりして、うちも色々と迷惑してるのよ!
 この道をずーっと行ったところに住んでいるおばあちゃんが、わざわざここまで歩いてきて一日2回餌をやりに来るのよ。
 自分の家で飼えばいいのにね。
 彼女はいつも大きな帽子を被っていて、水の入ったペットボトルと餌を抱えて丁度朝8時にやって来るの。
 絶対8時に現れるから、見ててごらんなさい!」

「み、見ました。。。」

「彼女この辺りでは有名で、"cat lady"と呼ばれてるのよ。ここ以外にも数箇所で餌付けをしているの。
 私はここに35年住んでいるのだけれど、彼女はもうかれこれ10年以上そこの空き地で餌付けをしているわ」

「じっ、10年!!あっちゃー。。。」

「鹿や狸、カラス、ありとあらゆる野生動物が猫の餌目当てでやって来るの。
 知ってた?スカンクって水が好きなのよ。
 うちは犬を飼っているんだけど、水入れは絶対に外に出さないようにしているの。
 あんなことしていたらスカンクだってやって来るわ」

(うわっ。まさにアニマルランドじゃん。。。)

「でも、他のご近所さん達はみんないい人ばかりだから安心して」

といった具合に、熱く語って下さいました。

やっぱりそうだったか。。。
それにしても、野生動物まで誘き寄せているとなると問題です。
彼女が餌を放置しているせいで、野生動物が道路をうろついて車に轢かれたりしてしまうのですから。。。
野生動物に噛まれたりしたら、ワクチンだって打たなければなりません。

次の日。
まさかもう来ないよな〜と思いつつも、お向かいさんの言う朝8時頃に空き地の様子に注意を払っていると、

8時5分前。
空き地の茂みでガサゴソと音がしたかと思えば、猫達がゾロゾロ出てくる出てくる。。。
それぞれ餌場の前でお座りをして待機。
8時00分
松の木の上からカラスが「カー!」とひと鳴きしたところで、
猫ばあばが登場。(この日は何故か車)
そして餌やり開始-。

ちょっとした戦慄を覚えつつ、急いで外に出て帰ろうとする猫ばあばに歩み寄り、

「場所を変えるって仰ってたじゃないですか。これはどういうことですか?」

「場所なら変えたわ。それは私がやったんじゃない」

(うっそー!!平気でしらばっくれてるし。。。)

「全部見てました。私は去年野良猫に噛まれたこともあるんです。この中の一匹は特に人懐っこくて私達に近づいてくるので、まだ小さい下の子がぬいぐるみ感覚で触ってしまうかもしれないんです」

「この子達は野良猫じゃないわ!!」

(エエーッ!昨日“彼らはこの状態がナチュラル”って自分で言ってたじゃん!)

「ということは、この子達は貴方のペットということですね。
 それならば貴方はこの猫達のお母さんでしょ。
 連れて帰って下さい。
 一旦餌付けを始めたら責任というものが生じるんです。
 私も二人の子供に1年以上母乳を与えて育て上げましたが、
 breast feeding(英語で授乳のこと)を始めて母親が子供に対する責任を自覚するように、
 貴方がこの猫達にfeeding(餌付け)を始めた時点で貴方はこの子達の母親として責任があることを自覚しなければなりません」

「私は毎日ちゃんと2回餌をやって責任を果たしているわ!!」

「餌をやることだけが責任ではありません。
 この猫達は貴方がここで餌付けをしているせいでここに居着いているのです。
 これだけ居着くと不衛生ですし、子供達に万が一何かあったら責任を取って下さるんですか!?」

「庭に子供達を出す時は貴方が常に監視してればいいじゃないの」

 (エエ~ッ!!!)

「自分の敷地内で安全に子供を遊ばせられないなんて馬鹿な話がありますか!?貴方の猫なんだから、貴方が猫を監視して下さい!!!
 大体ここは郡の所有地なんですから、フェンスに勝手に穴を空けたり中に入ったりしてはいけないんです。
 もう大人(おばあちゃん)なんですから、ルールは守ってください」

猫ばあば、ダンマリ。

「これは貴方のものです。お持ち帰り下さい」

と餌入れを手渡すと、あっさり受け取って帰りました。

1時間後同じ場所に餌が放置されていましたが。

どんな質問にものらりくらりと返してくる辺りをみると、これまでにも恐らく何度も同じ注意を受け、彼女の中でマニュアルが出来上がっているものとみられます。
ただし、その答えはどれも矛盾だらけでトンチンカンですが。

この人に何を言っても無駄だということがよく解ったので、とりあえず証拠写真を撮って郡役所に提出することにしました。(役所の人に尋問されてもまたしらばっくれるに決まっているので)
郡の土地ですし、あとは役所の人に任せることにします。
こちらは動物の里親制度が整っていることですし、責任ある里親さんに引き取って貰うか空き地での餌付けを禁止し、防犯の為にも数カ所壊されたフェンスを修理して貰うようにお願いするつもりです。

このことを相談した友人に
「そうよ、理性で解って貰えない相手にはなるべく直接関わらない方がいい」
と言われたのですが、猫ばあばはまさに「理」(理性・物事の理屈・道理)を解する能力に欠けた人=理解能力のない人。

ちょっと後悔しているのは、あの穴の開いたフェンスと放置された餌の状況を見た時点でモラルに欠ける人だと判断し、始めから直接関わるべきでなかったなと。。。
まずお向かいさんに情報を聞いて裏を取るべきでした。

それでも猫ばあばと猫達を引き離すのはちょっと可哀相な気もするので(「場所を変える」という約束を破った人が悪いと思うのですが)、ちょっと車を走らせれば山の中に入れることですし彼女は車も運転出来るようなので、山奥で野生動物達も一緒に宜しくやってて貰うのが一番なのですが。。。

それにしても、日本に限らずどこにでもこうした問題はあるものなのですね。

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