アンティークショップで見付けた麦藁手のお碗。
アメリカに来た当初はカリフォルニアの料理が真新しくて洋食器にばかり目が行っていましたが、普段の食事は和食中心ということもあり、最近は「使える和食器」に目が奪われます。
といっても、ここはアメリカ。
日本のように、お気に入りの作家さんのものが簡単に手に入るわけでもなく、数少ない和物のガラクタの中から気に入ったものを見付けるしかありません。
数が揃っていることも稀で、今回も二つだけです。
最近、何故か無性に惹かれる麦藁手。
規則正しく描かれたシンプルな縞模様なのですが、よく見ると人の手で描かれた線は微妙に歪んでいたり、太さが違ったりしていて、そこに手作りのぬくもりが感じられるのが魅力です。
このお碗は、鉄の筋が筆を押し付けるようにリズミカルに描かれています。
裏印はなく、いつどこでどんな人が作ったものなのかはさっぱり判りませんが、
尻すぼみの上品なフォルムや淵の立ち上がりに繊細さが感じられて、人目で気に入ってしまいました。
しかも、本当にさりげなく、淵の部分に片口が施されているのです。
こちらのアンティークショップで出逢う和食器といえば、華やかな伊万里の色絵が殆ど。
(海外では、地味な染め付けよりも華やかな色絵が好まれるのです)
普段使いに重宝しそうな、素朴で控えめな器を求めている私にとって、今回の器はなかなか嬉しい出会いでした。
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