日本から戻るなり寒波に見舞われたカリフォルニア。
リビングの暖房の効きもイマイチで、暖炉を使うことに。
探し求めていた真鍮の暖炉専用ツールとも出逢え、「今日はツイてるかも♪」とルンルン気分で早速暖炉に火を焼べることに。
(ちなみに、暖炉に一人で火を焼べるのは生まれて初めての体験)
取り敢えず購入した薪の袋を開け、これを2本程暖炉の中に放り込み下に丸めた新聞紙を詰めて着火。
思いのほか順調に炎が燃え上がり、「私、なかなかやるじゃんっ!」
と調子の乗っていた私。
ところが、モクモクと上がる煙に火災報知器が反応し、突然ピー!!ピー!!とけたたましい音が鳴り出したのです。
大急ぎで窓を開けて煙を外に出し、煙が外に出ない様暖炉のガラス戸を閉じ、数分後・・・。
漸く火災報知器が鳴り止み、ホッと胸をなで下ろしたのも束の間、
今度は暖炉の中の火が更に勢いを増し、いつの間にか暖炉のガラス戸の中が炎でいっぱいに。
私に抱かれてメラメラと燃え盛る炎を見つめる息子。
段々と火はキャンプファーヤーのような状態に。
「この暖炉のガラス戸、勿論耐熱ガラスよね。まさかこれが割れちゃうなんてことないわよね・・・きっとこれから火が弱まってくるはず」
と自分に言い聞かせながら少し距離を保って恐る恐る様子を見守っていたその時。
パリーンッ!!
という音と共にガラスが割れ、ガラスの破片が飛び散ったのです。
突然の出来事に驚き、「ギャー!!」と泣き叫ぶ息子。
ガラスが割れて、初めてこの炎の状況が異常であることを認識した私は、隣人に助けを求めることに。
着の身着のまま外に避難した私達に
「寒いからうちに入っていなさい。子供が煙を吸うといけないから」
と優しく対応してくれた隣のおじさん。
その後すぐ向かいに住んでいる管理人の女性も駆けつけたのですが、
「まあ、どうしましょう!!」と狼狽えるばかり。
取り敢えず消防に通報し、およそ3分後に消防隊が到着。
入り口に巨大なファンを設置し、充満した煙を外に出す作業を始めた消防隊員。
「薪は何本入れたの?」と聞かれ、
「2本です。私は薪と新聞紙とマッチしか使っていません」
と答えると、
「この薪は燃料が加工されているタイプだから一度に一本でいいんだよ。2本は多過ぎる」
「そ、そんなこと、知らなかった・・・あのまま3本目を投入していたらどうなっていたことか・・・」
ひたすら落ち込む私に、
「何事も経験が大事だね。」
と優しく私を諭してくれた消防士のおじさん。
飛び散ったガラスまで掃除してくれて、
「もうこれで大丈夫だよ」
と暖かい声を掛けて帰っていきました。
御陰さまで、特にどこも燃やすことなく無事鎮火。
とても大らかで優しく、頼もしいアメリカの消防士のおじさん達。
心配してくれた近所の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいに。
慣れないアメリカ生活でたまにこのような事件を引き起こしてしまう私ですが、その度にアメリカの優しい人たちに助けられて何とか生きています。
後で夫に聞いたところ、袋入りの加工された薪を使う時は一本だけ使用するのは勿論、袋から出さずに袋ごと暖炉に入れ、袋に直に火を着けるそうです。
新聞紙も必要ないそうです。
海外で初めて暖炉を使われる日本人の皆さん、くれぐれも今回の私のような危険な真似はせず、薪の袋に記載された使用方法をよく読んでから使用して下さい。
袋入りの加工された薪には要注意です。
写真は、鎮火した後の暖炉の様子。
下の写真は側面が丸一枚割れたガラス戸です。